【エグチ対談 Vol.2】デリーモ 江口シェフ×甘党スタイル編集長 ヒキノトオル

パティスリー&カフェ デリーモの江口和明シェフが、毎回ゲストを迎え1対1で対談するコーナー。今回は当サイト「甘党スタイル」ヒキノトオル編集長と対談します。

二人の出会いは、今から約4年前にホテル椿山荘東京で行われたケーキとお酒のマリアージュを楽しむスイーツイベントでした。このイベントでヒキノ氏は企画運営、江口シェフはスイーツの出品とトークゲストという形での出会いだったわけですが、それから交流が深まったという江口シェフとヒキノ編集長の対談がスタート。

ヒキノ まずはじめに江口シェフの経歴を教えてください。

江口シェフ 僕はデリーモを立ち上げる前は、製菓店をはじめ様々な飲食業態で働いていました。実は僕は29歳まで8社転職しました。1年くらいで転職していたので、それが弱みでもあり強みでもあり、そのために師匠がいないんです。その後29歳の時にブロードエッジという会社に入社しを立ち上げました。今、グループ全体では680人くらい従業員がいます。

ヒキノ どうして転職を繰り返していたんですか?

江口シェフ 実は先輩が終わるまで残ってないといけないと強いられるのが嫌でしたね。修行時代は22時、23時までお菓子を作るのは当たり前で、オーブンの前で寝るとかよくある話でした。仲間と今日は何連勤働いているのかとかいう会話になるんですよ。

ヒキノ それは十数年前に僕が勤めていたWEB制作会社の現場もそんな感じでしたよ。オフィスの床にダンボール敷いて寝て、会社に住み込みみたいな。終電で帰れたらラッキーみたいな。まぁ僕は家に帰ってお風呂入りたい派だったので、先輩に関わらず帰ってましたけどね(笑)。過酷でしたけど嫌ではなかったかな。やりたい仕事やっていたので。

江口シェフ 僕は学生時代にハンドボールをやっていたこともあり腰が悪くて、それで腰を痛めてしまい、働き方を振り返っちゃったんです、そこでやってきたことを。それからデルレイに入社すると、海外の人は仕事は仕事でピシッと終わるので、お菓子屋さんって色々なやり方があるんだなと思いました。その後グローバルダイニングというレストラン経営会社に入って、それで人生が変わったんですよね。

ヒキノ グローバルダイニングに入社後、ステファン・ヴューさんとの出会いがあったんですよね。

江口シェフ はい、その出会いで人生が変わりましたね。まず26歳で入ったグローバルダイニングで当時数千万円の赤字だったブランドを任せてもらい、それを黒字にするという事業を4年間かけて成功させました。その後29歳でデリーモを立ち上げた時に、一人でお菓子を作る以外に経理関係で数字を見たり、また広報PRをしなきゃいけない、商品パッケージも考えなきゃいけない、色々なものを作らなきゃいけないとなると、自分のキャパシティを理解しているので、分担しないといけなくなる。各業務を理解して誰でもわかる組み立てをしておかなきゃいけないと思いました。一生懸命無我夢中に頑張っているとかあまり好きではない(笑)むしろ頑張らなくても綺麗にやっている人がすごいと思っていましたから。

ヒキノ 多くのシェフは、お菓子作りの技術がすごくても、数字だったりパッケージデザイン、プロモーションにまではなかなか手が回りませんよね。それができるというのもすごいし、それを20代で習得してしまうとは、なかなかそういう人はいないと思います。

ヒキノ お菓子を作る上で大切にしていることは?

江口シェフ お菓子を作る時間とか商品のこだわりポイントをどこまでこだわるかなんですけど。砂糖、小麦粉、卵5種類とか、チョコレートのスポンジは5種類とか、コストもかかるしミスもするし、クオリティもぶれるので、これをどこまで妥協できるかが重要です。
デリーモには常にケーキは20種類弱あるんですけど、チョコレートの生地は一種類しかないんです。これは奇跡的におかしいんですけどね。
僕はお菓子作りを全て数値化しているんです。例えば、メレンゲを立てる時は最初に砂糖を全部入れるんです。そして、このスピードで3分とか決まっているんですよ。だから誰でもできるようにしています。つまり難しいレシピでも絶対にブレないんです。いかにデータを正確に把握して数値化することで、妥協せずより良い商品を少ない材料で作ることに繋がるんです。最近は大手でもチョコを何度で何分溶かしましょうとか言ってくれるんです。大手メーカーに行くと、数値化して教えてくれるんです。なぜなら研究者がお菓子を作っているからです。
お菓子は科学なので、そんなに変わらないですよね。冷蔵庫で一晩寝かせましょうというのは科学的に決まっている。僕は下積みがないので、本当にわからないことは、プロに聞いてしまいます。だからお菓子もあまりブレないです。だから裏付けされていないことはしないんです。常にお客様のために考えた結果、この場所に到達しました。なかなかいないと思いますけどね(笑)。

ヒキノ 確かに江口さんの作るお菓子は味にブレがないですよね。多分その科学的数値が見事に僕の味覚と一致しているからハマっているんだと思います。江口さんのお菓子は本当に美味しい。特にピスタチオのケーキね!

江口シェフ ヒキノさん、ピスタチオ好きですからね〜。でも僕もピスタチオ大好きで。デリーモで使っているピスタチオ素材は、イタリア産のアグリモンタナ社ですから。

ヒキノ そうだったのか〜。ピスタチオの濃厚なクリームを使用した「デュオピスターシュ」(600円)は香りいいですもんね〜。

ヒキノ いよいよ「パティスリー&カフェ デリーモ」東京ミッドタウン日比谷店がオープンしましたが、各メディアで話題になっていますね。

江口シェフ オープンしてからは、もう大盛況すぎて大忙しで、全時間帯行列ができる状況で嬉しい限りですが、その期待に応えられるようにしっかりスタッフ教育してクオリティの高い、満足いくものを作らなければとプレッシャーも感じています。お客様をはじめ立ち上げに今まで関わってくれた皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

江口シェフ 今回の日比谷店のコンセプトは、スイーツだけでなくワインや食事にも力を入れていることです。そのカテゴリ商品をもっとアピールしたいなと思っています。早速、高品質のワインをグラスで提供できるようにワインサーバーも導入しました。チーズの料理を増やしてワインに合わせてもらいやすいラインナップにしています。最後にパフェを食べて”締めパフェ”をしてもらうのがいいですね!!

ヒキノ 今回のパフェ、いいですよね。
江口シェフ はい、日比谷限定の「メランジュフリュイ日比谷」というパフェです。圧倒的な人気ですし、マスメディアにも良く紹介してもらっています。高級なあまおうを使っているので今一番美味しい状態で食べてもらえていると思います。ショコラとの相性バッチリですし!!

※東京ミッドタウン日比谷店のスイーツの詳細はこちらの記事をご覧ください。
【ミッドタウン日比谷の注目スイーツ「パティスリー&カフェ デリーモ」のパフェ&ケーキ】

チョコレートを知り尽くした江口シェフが、これからも尽きることのないチョコレートの魅力を私たちに伝えてくれます。紅茶、ワインとのマリアージュにも無限の可能性を感じることができる日比谷店にぜひとも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

<プロフィール>
江口 和明(エグチ カズアキ)
1984年、東京都生まれ。父は和食の料理人、母は栄養士。中学の時、PATISSIER INAMURA SHOZOのケーキの味に衝撃を受けてパティシエを目指す。数々の名店や名パティシエのもとで経験を積み、現在は【パティスリー&カフェ デリーモ】の統括責任者としてシェフショコラティエ&パティシエを務める。


ヒキノ トオル(甘党スタイル編集長)
2008年「甘党男子」という言葉を生み出し、スイーツ活動を開始。当時は少数派だったスイーツ好きな男性の存在を掘り起こし、スイーツ男子、甘党男子が広く一般化してきた現在の状況に繋がる1つのきっかけを作った。
2017年に「甘党スタイル」を設立し編集長に就任。独自の取材と感性で、スイーツにまつわるさまざまな情報を発信している。

<店舗情報>
パティスリー&カフェデリーモ 東京ミッドタウン日比谷店
オープン日:2018年3月29日
住所:東京都千代田区有楽町1丁目1-3 東京ミッドタウン日比谷 B1F
(東京メトロ千代田線・日比谷線 ・都営地下鉄三田線「日比谷駅」A11出口と直結)
営業時間:11:00~23:00(LO.22:00)
定休日:施設に準ずる
TEL:03-6206-1196

「パティスリー&カフェ デリーモ」ホームページ

<文・千島絵里香>

 
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投稿者
甘党編集部