パティシエ エス コヤマ 夢先案内会社 FANTASY DIRECTOR

お客様の希望をディレクションするのが僕たちの仕事

兵庫県三田市ゆりのき台にある閑静な住宅地に、突如現れた不思議な雰囲気のお店。なんと、デコレーションケーキ専門のお店なんです。その名も「夢先案内会社FANTASY DIRECTOR」。
子供の頃からあらゆるジャンルで創作することが大好きだったというオーナーシェフの小山進氏が、好きなものを全部駆使したら面白いケーキ屋さんができるのでは、という想いで新たにオープンしました。小山シェフは「お客様が自分自身で気がつかないようなファンタジー感や楽しい感じをデコレーションケーキで表現し、お客様に喜んでいただけることを続けていきたいです」と話す。

ギフトサロンの円滑化を図るために誕生


2003年にオープンしたパティシエ エス コヤマ。当時、ロールケーキブームを作った「小山ロール」が店頭だけで1日1600本も売れる中、敷地内にギフトサロンも作りました。サロンで予約を承り、商品のお受渡しなどを行っていましたが、行列ができてしまい、どうしたらスムーズにギフトサロンが円滑に進むのかと考えたのが始まり。
「デコレーションケーキを何十台も並べたいと思っていました。数種類のケーキが並んでいるのを見たことがあるお客様はいらっしゃるだろうけど、何十台も並んでいるお店はきっと見たことがないだろうと。本来、デコレーションケーキはそういうものなのに、それができてないということと、とにかく楽しみに待ってくれる方たちをビックリさせたいと思い、デコレーション専門店を作りました」(小山シェフ)


兵庫県クリスマスケーキコンテスト県知事賞の受賞経験もある小山シェフがデコレーションケーキにかける想いは熱い。


小山シェフの思いが詰まった「魔法の鍵と魔法の壺」

「鍵」を使って、どれだけお客様の頭の中の引き出しを開け、引き出しの中をのぞけるか。「壺」はパティシエの持つ「技術力・発想」を表現している。鍵で引き出したお客様のご要望を壺の中にあるアイデアや経験、技術をミックスして形にする。そしてケーキが完成するストーリーとなっています。


旬の果物を中心に使ったデコレーションケーキが常に20種類以上並ぶ。

 
エスコヤマで働くスタッフ全員がファンタジーディレクターだから、お客様の想像を超える物創りをしたいと思っています。
「ロールケーキ、モンブラン、ショコラと沢山のケーキがある中で、お客さまの上質なシーンや自分のとっておきのシーンで記憶に残る、人に欲しいと思って貰えるようなお菓子をつくりたい。是非とも僕たちを信頼していただき全て任せていただけると嬉しいですね」(小山シェフ)

オーダーは直接店内で、どんなケーキを望まれているか、果物や食材は何を使用したいかなど細かくお客さまからお聞きするために、ゆっくりと寛ぎながらケーキの構想案を練れるテーブルや椅子もご用意しております。もちろん随時電話でも受け付けています。


今年8月にマジパン専門書籍を出版予定の小山シェフは、
「エスコヤマがオープンした当初から、マジパンを販売したいと思っていたけどすぐにはできなかった。でもいつか、マジパンを好きなだけ並べられるお店ができればいいと思っていて、今回やっとできたんです」とマジパンに対する想いを語ります。


外観はクリームをサンドしたふわふわのスポンジケーキをイメージしている。
「マジパンスティックを使って粘土細工をして、採寸して形にしていきました。ケーキ屋が創ったお店だということを訪れてくれる人に実感して欲しい。左官職人の久住有生さんはめちゃくちゃ作りづらかったみたいですけどね(笑)」

チョコレート専門店「ROZILLA」

他にも敷地内にはいくつもの店舗があり、中でも細部にまでこだわりが光っているのはチョコレート専門店の「ROZILLA」。
「大の大人が本気で作る秘密基地」をコンセプトに展開しているお店です。ROZILLAの由来は「路地裏×ゴジラ」。京都で育った小山シェフが子供のころに夢中になった世界感がここにあります。


石積みの職人さんが積んだ石で覆った洞窟のような建物にワクワクします。


店内に入ると、ショコラのバウムクーヘンなどの洋菓子や、ここでしか手に入らないチョコレート菓子が何十種類も揃えてあります。
店内で人気のあるボンボンショコラは、シンプルにミルクチョコレートをガナッシュに仕立てた「スペシャルミルク」(270円)や「スペシャルビター」(270円)。シンプルに食べ比べができるとあって常時人気があります。


小山シェフおすすめのボンボンショコラは「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2017」(1箱4個入、価格1728円)。2016年から2017年の間に小山シェフが発見した未知の素材とカカオとの遭遇から生まれた4つのボンボンショコラです。
苺とふきのとうを合わせた「HARU」、クロモジを使用した「神の木〜クロモジ〜」、クリアな柚子の風味とスパイシーなエスペレットピーマンのマリアージュを感じるプラリネの「YUZU」、ペルーのカカオを使ったショコラ・ノワール「サンマルティン」を通して、新たな発見を感じてみてください。


定期的にショコラセミナーを開催する「a・ZITTO」。お母さんのお腹の中でたった1人つながっていた安心感を表現した空間で集中してショコラに向き合ってほしいと思っています。


「チョコレートを始めた当時は、並ばなくても良い、すぐに買えるお店をつくろうと思った」と話す小山シェフ。ロールケーキは売り切れちゃって買えなかったけど、他のチョコレート菓子を買って帰ろうってお店を作らなきゃいけないなと想いでオープンしました。
「オープン当初は、全然売れなかったけど、来てくれる子供達に「いっぱいボンボンショコラがあってすごい」って言わせたいがために仕方なくやっていた(笑)」(小山シェフ)

「ROZILLA」に隣接するカフェ「hanare」


カフェ「hanare」では、パティシエ エス コヤマで販売しているオススメのケーキが味わえます。ケーキセットの他に、キッシュセットや、近隣の契約農家さんで育てられた有機野菜をたっぷり使ったサラダなどの軽食も楽しめます。辺り一面は、ケーキや焼き菓子の香りに包まれているから、つい長居してしまうのも納得です。


アッサムティーとベリーのお菓子。(※ケーキは季節によって異なります)

「ROZILLA」と「hanare」の真ん中に不思議な空間が出現?


小学6年生以下のお子様しか入る事のできない「未来製作所」は、2013年冬に誕生しました。ここは”未来の表現者を育てたい”との小山シェフの想いが詰まっています。子どもにしか買えないお菓子って何だろうと想像するだけで、大人の想像力もかきたてられますね。

小山シェフにとって、各お菓子ごとにカテゴリーを分けて、専門のお店として展開していくことは、想定外に起こってきた数々の出来事を元に戻すための旅なんだそう。
2003年にエスコヤマがオープンしてから14年の節目に、また新たな試みに挑戦し続ける世界の小山シェフに今後も注目です。


小山進シェフ
1964年京都生まれ。2003年兵庫県三田市に「パティシエ エス コヤマ」をオープン。「上質感のある普通味」を核にプロフェッショナルな味を展開し続けている。近年、子どもたちの育成や、自身の“モノづくり”に対する姿勢、発想の原点などを題材とした講演会や講習会を各地で行い、子どもたちから大人、年配の方々まで幅広い層から支持を受けている。16年には12歳以下のお子様しか入れないお店「未来製作所」が、「キッズデザイン賞:協議会会長賞」を受賞。また、17年11月13日には敷地内に新たなブランドとなるデコレーションケーキ専門店「夢先案内会社 FANTASY DIRECTOR(ファンタジー・ディレクター)」をオープン。
フランスの最も権威のあるショコラ愛好会「C.C.C.」のコンクールでは、2011年の初出品以来、7年連続で最高位を獲得。また、2013年からは「インターナショナル・チョコレート・アワーズ」にも出品。2017年のインターナショナル・チョコレート・アワーズ・アジア・パシフィックコンペティションでは、出品作の39種類全てが受賞(金賞9品、銀賞26品、銅賞4品)。10月にロンドンで開催された世界大会でも24作品が受賞(金賞4品、銀賞11品、銅賞9品)。世界的なショコラティエとしてその活動の幅をますます広げている。

<店舗情報>
パティシエ エス コヤマ
TEL:079-564-3192
営業時間:10:00~18:00
〒669-1324 兵庫県三田市ゆりのき台5丁目32-1
定休日:水曜・不定休
アクセス:JR大阪駅から 約45分
JR「新三田」駅下車。駅前ロータリーより神姫バス44系統にて
「ゆりのき台公園前行きに乗車。バス停「ゆりのき台郵便局前」で下車すぐ
URL:http://www.es-koyama.com/

(文・千島絵里香)
投稿者
甘党編集部